LINE API Use Case

自治会・町内会運営の悩みをLINEで解決!「デジ町 町内会LINE」

システムの解説

「デジ町 町内会LINE」のサービスを支える技術

インフラにはGoogle Cloud Platform(以降、GCP)を採用しています。
主な業務データはkintoneに保存されており、GCPはAPI連携やデータ取得処理の負荷分散を目的に併用する構成となっています。
フロントエンドはNuxt.jsをベースとしたLIFFを採用しており、LINE公式アカウントとの連携を通じて、ユーザーごとの町内会情報の自動切り分けや、リッチメニュー制御、機能制限(例:役員用タブ表示)などを実現しています。
リッチメニューのオブジェクト制限は20個(※)であるため、その対応策として、「条件付きで表示内容を変えるLIFFの再利用」などを活用し、20個以内で実現できるように工夫しました。これにより、LINEユーザーIDとステータス(役員、非役員など)・支払状況に応じた画面制御を行うことで、ユーザーごとに最適な表示を提供しております。
また、LINEの配信件数制限を避けるため、情報配信は一部をオープンチャットで代替するなどの工夫もしております。

※Messaging APIリファレンス:https://developers.line.biz/ja/reference/messaging-api/#camera-roll-action

リリース後の評判

現在、横浜市と連携し、自治会・町内会のデジタル化支援に取り組んでおります。
また、町内会単位での無料トライアルも開始されており、実際の運用がスタートしたケースも出てきました。その他の自治体や地域団体とも導入に向けた協議が進行中で、今後の展開に対する期待の声を多数いただいております。
WebサイトやAIチャット経由での問い合わせやトライアル申し込みも継続的に増えており、反響の大きさを実感しています。特に、「LINE上で自治会・町内会の運営ができること」と「LINEを使って会費のキャッシュレス集金ができること」の2点は、相互に補完し合う形で高く評価されています。
ふだん使い慣れたLINE上で、情報発信から集金まで一元的に対応できる点が、現場の負担軽減や導入のしやすさにつながっており、多くの自治会役員の方々から好意的な声をいただいています。

今後の展望

今後は、町内会ごとの運用負担をさらに軽減できるよう、各機能の自動化・最適化を進めていきたいと考えています。
たとえば集金機能では、「未払い住民への自動リマインド通知」や「支払ステータスに応じた定期通知」などを実装することで、役員側の手動作業を減らし、住民への支払い促進につなげられる仕組みを検討しています。
また、オープンチャット(回覧板)で役員から住民に配信する情報についても、今後は「受信機能」の追加によって、既読状況の可視化や、住民側が後から情報を確認しやすい仕組みを整えることで、見逃しや再確認といったニーズにも対応していきたいと考えています。
さらに、今後は既存の「デジ町 町内会LINE」をベースに、自治体向けの新サービス「デジ町 町内会LINE for 自治体」の展開も予定しています。
これは、町内会・自治会のネットワークを生かし、行政から住民へ確実に情報を届けるための支援サービスです。紙の回覧板では届きにくかった若年層や共働き世帯、単身世帯への情報伝達を、LINEを通じてより確実かつ効率的に行えるようにすることを目指しています。近日中の公開を予定しておりますので、ご期待ください。

LINE APIに対する要望

デジ町 町内会LINEでは、町内会ごとにオープンチャットを設けて回覧板として活用していますが、現在はLIFF経由でオープンチャットに誘導し、ユーザーがオープンチャット上で名前登録・同意を手動で行う必要があります。
まず、LINE公式アカウントの友だち登録後に、ユーザーを自動的に特定のオープンチャットへ招待・参加させる仕組みが提供されれば、導線がよりシームレスになり、高齢者を含む幅広い層の参加ハードルを大きく下げることができると思っています。
また、オープンチャットに参加しているかどうかの情報を、LINE公式アカウント側で参照できる手段(APIなど)があると、参加未完了ユーザーへのリマインド通知や、情報配信対象の出し分けが可能となり、より運用の精度と効率が格段に向上できると感じています。
さらに、デジ町 町内会LINEでは、現在はLIFF URLにパラメータを付けて流入経路を把握していますが、古い端末や一部OS環境ではLIFFが正常に起動しないことがあり、友だち登録自体が完了しない事例も発生しています。QRコードのパラメータをフォローイベントなどのWebhookで取得できれば、より確実な流入経路の把握とユーザー識別が可能となり、登録率およびデータ連携の信頼性向上が期待できるかと思っております。

これからLINE APIを活用される方に一言

LINE APIは、国内で圧倒的に利用されているコミュニケーション基盤を活かしながら、身近なサービスを構築できる非常に強力なプラットフォームです。
特に、LINE公式アカウント+LIFFの組み合わせは、Webアプリとしての自由度とLINE特有の親しみやすさを両立できる点が大きな魅力です。
一方で、LINE特有の仕様や制限(トーク画面の制約、ユーザー識別の流れなど)もあるため、初期設計段階で導線設計やAPIの仕様理解を深めておくことが、後々の手戻りを防ぐコツになります。

利用しているAPIのリンク


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