褒めるメンター制度システム「SkillBox」
SkillBoxは、エンゲージメント向上を手間なく実現する「褒めるメンター制度システム」です。エンゲージメントが高い組織と低い組織を見比べた場合、低い組織では社員に対してポジティブな声がけがないのに対して、高い組織では「いいね!」「何か困っていることない?」「頑張ってね!」といったポジティブな声がけが周囲からたくさんあるという違いがあります。SkillBoxは、新入社員と先輩社員それぞれが「毎週1~2分程度の対応」でポジティブな声がけがたくさんある状態を自然に実現し、それによってエンゲージメントを向上させます。具体的な使い方は、新入社員は 週に1回あらかじめ決められたアクションリストに対して「できた」「できなかった」という簡単な選択肢の中から1週間を振り返り回答します。回答画面には「頑張りの共有・相談など」といった任意入力の自由記述欄もついており、メンターに対して自身の状況を共有することができます。メンターは、入力された内容に対してスタンプやコメントなどでリアクションができ、そこでのやり取りを通じてメンターとして必要なフォローを手軽に行うことができます。私たちは、SkillBoxの提供を通じて若手社員の離職という課題を解決したいと考えています。大卒就職者の入社3年以内離職率は3割以上※1となっており、多くの会社は若手社員の離職に関して課題感を抱えています。「メンター制度」はこれを解決する手段の一つとして、企業の48%が導入しており、そのうち70%が効果を感じる制度※2です。しかし、定期的な面談などにより先輩社員であるメンター側の負担が大きく、現場の判断で形骸化してしまっているケースも少なくありません。SkillBoxを活用することで、メンター側の負担を最小限に抑え、メンター制度をしっかりと機能させて離職率をさらに下げることができます。
※1: 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)」
※2: HR総研:人材育成「新入社員研修」に関するアンケート調査 結果報告(2020年)
LINEとの連携
スマートな通知で効果的に回答を依頼
LINE APIを使用しているのは、SkillBox上でメッセージが送られた際の、回答依頼の通知の役割として利用しています。SkillBoxでは週に1回1週間を振り返っての回答をしてもらうのですが、その際自発的にシステムへログインしてもらうだけでは、回答を忘れてしまう人が少なからず発生してしまいます。そのため、毎週回答者本人へ回答依頼の通知を行うのはとても重要なことです。当初、メールアドレスをユーザーごとに登録することができるようになっており、利用者一人一人に対して本人のメールアドレスへ「今週も回答をよろしくお願いします。」と通知を送る仕組みにしていました。ところが実際にSkillBoxの利用者が増えていく中で、例えば飲食店など店舗で働く方々の中には会社のメールアドレスを持たない社員さんもいることから、その方々への通知手段も必要だと気付いたのです。会社のメールアドレスを持たない人の多くは、会社から支給されるパソコンを1人1台で持っていないというケースが大半であり、その場合は「どの端末で回答をすればいいのか」という問題もありました。これら両方を解決するために考えたのが「個人のスマホでも回答ができる」ということと、「個人のスマホに通知を飛ばせるようにする」ということでした。この点において、スマホを持つほぼ全員が利用しているアプリへ通知を行えるというのは非常に重要なことであり、LINE APIを利用することが最も適切だと考え採用を決めました。
メンタープログラムの効果的な運用を支援する取り組み
LINEでの通知に関しては、特段セグメントで切り分けての配信をしていないため、収集しているデータは特にありません。サービス全体としてのデータ取得・活用としては、LINE通知からの遷移でSkillBox上で回答を行う際、そこでの回答データが蓄積されていきます。取得されたデータの中にはアクションリストの達成率や回答率、自由記述欄の入力内容といったものがあるため、これらのデータを活用して離職アラート※を出すということを行っています。また自由記述に対するメンターのコメントもデータ取得しており、これを分析することで、回答内容に対してメンターからのコメント案を作成する生成AIの開発にも現在着手しています。これが完成することで、メンターに対して「このようなコメントをするといかがでしょうか」というように文案提示がなされ、その内容で問題がなければワンクリックで新入社員に対してコメントを行えるようになるため、メンターの負担をさらに下げることができるようになります。
※離職アラートは、個別でのケアが必要な従業員を検知しアラートする機能のことです。